事務所に昔一緒に仕事していた人に似ている人がいたので、声を掛けてみた。
やはり、S氏だった。
「お久しぶり」
「今、何をやっているんですか?」

「病気をして、Z付になっているんですよ」
「病気って?」
「大腸癌で」
「今年、父親が癌で亡くなってね」
「うちは、両親とも亡くなっちゃった」
・・・・・
10年前に一緒に働いていたメンバーの消息について話が弾んだ。

「思い返せば、10年前に予兆のようなものがあって、その時に精密検査を受けていれば、もっと初期の段階でわかっていたかもしれない・・・」
「いろいろなところを回っていると、身体を壊して、降りている人って多いね。」

S氏はこの会社は10年遅れていると指摘した。採用を抑制して新人が入って来なくなって、もう若さが感じられない、勢いのない会社になった。

「仕事よりも、身体を治してくださいよ」とS氏。